
ご家族を亡くされた直後、何をすればよいか分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、相続手続きに関する「やるべきこと」「期限」「注意点」をチェックリスト形式でまとめています。
法律や税金など専門的な内容を、初めての方でも分かるようにやさしく解説しています。
まずはこの画像をスクリーンショットするか、印刷してお手元にお持ち下さい。
相続手続きのチェックリスト(詳細ガイド)
① 死亡届の提出(7日以内)
ご家族が亡くなられた際、まず最初に必要になるのが市区町村への死亡届の提出です。
病院で発行される死亡診断書とともに提出することで、火葬許可証が交付され、葬儀や火葬の準備が進められるようになります。
提出期限は死亡を知った日から7日以内と決められています。
② 葬儀・法要の実施
喪主を中心に葬儀の形式や日程を決め、斎場や僧侶への依頼、会葬者への連絡などを行います。
葬儀費用は相続財産から支出可能なため、支払い記録はきちんと保管しておきましょう。
僧侶へのお布施は領収書が出ませんが、一般的な金額の範囲内であれば大丈夫です。
香典返しや法要の段取りなども必要になるため、信頼できる葬儀社への相談が重要です。
③ 遺言書の確認
亡くなられた方が遺言書を残していないか、自宅や貸金庫などを確認します。
自筆証書遺言が見つかった場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所で「検認」手続きを受ける必要があります。
遺言に封がされている場合は開封せずに検認を行う必要があります。
検認前に開封してしまった場合、法律上罰則が定められているので注意して下さい。
公正証書遺言であれば検認は不要で、すぐに手続きに使用できます。
④ 相続人の調査
相続人を正確に把握するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せます。
戸籍謄本は亡くなられた方の本籍地の役所で取得可能です。
戸籍は郵送で取得できますが、生前戸籍が移転している場合は複数回取得しなければならないこともあります。
思いがけない相続人(婚外子や養子など)が見つかることもあり、注意が必要です。
⑤ 財産の調査
遺産には預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や未払い金、税金といったマイナスの財産も含まれます。
通帳、不動産登記簿、保険証券、借用書などを整理し、プラス・マイナスの財産をリストアップしましょう。
名義預金や使途不明金の有無も調査のポイントになります。
⑥ 相続放棄の判断(3か月以内)
財産を相続するかどうかは自由に選ぶことができます。
借金が多い場合などは、相続放棄を選択することで、負債の返済義務を回避できます。
ただし、家庭裁判所への申述が必要で、期限は「相続の開始を知った日から3か月以内」と厳格なので注意が必要です。
要は、3カ月以内に財産の調査を済ませなければならないということです。
⑦ 準確定申告(4か月以内)
被相続人が自営業や不動産収入などを得ていた場合、その年の確定申告を「準確定申告」として相続人が代わりに行います。
提出期限は、死亡日から4か月以内。
控除や還付金が発生する場合もあるので、税理士に相談するようにしましょう。
⑧ 遺産分割協議
相続人全員で、誰がどの財産を受け取るかを話し合います。
法定相続分に基づく分け方が基本ですが、実際は家庭事情や貢献度などを踏まえて柔軟に決定することもできます。
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停手続きへ進むことになります。
遺産分割の局面では様々な論点(寄与分や使い込み等etc)が出てきますが、多くの場合弁護士に相談することで疑問点を解消できます。
一人で悩まず、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
⑨ 遺産分割協議書の作成
遺産分割の合意内容は書面に残す必要があります。
これを「遺産分割協議書」と呼び、相続人全員の署名・実印の押印が必要です。印鑑証明書も併せて用意します。不動産の登記や銀行口座の名義変更にこの書類が必要になります。
⑩ 名義変更・解約
不動産や銀行口座などの名義を相続人に変更したり、不要な口座を解約したりする手続きです。
銀行口座は死亡が判明すると凍結されるため、協議書ができしだい速やかに手続きに進むことが大切です。
必要書類は金融機関ごとに異なります。
⑪ 相続税申告(10か月以内)
相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人の数)を超える場合、相続税の申告と納税が必要です。
期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内。
納税方法や評価額の算出方法など、専門家でなければ分からないことが沢山ありますので、自分には関係ないと思わず、必ず税理士に相談するようにしましょう。
相続に不安がある方へ|一人で悩まず、専門家と進めましょう
相続手続きは、法律・税金・不動産など複雑な内容が絡み合っているため、すべてを一人で抱え込まず、信頼できる専門家と一緒に進めていくのが安心です。
- 相続手続きの流れがわからない
- 葬儀費用や場所、宗教形式、葬儀の内容などを相談したい
- 遺言書や遺産分割協議書を作りたい
- 税金や登記のことも含めて相談したい
- 遠方にお墓がありお参りするのが難しい、墓じまいを考えたい
- 自宅の物を整理して買い取れるものがあればお願いしたい
そんな際はプロの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。