生前に行う銀行口座の整理はどうする?

公開日:2025/02/15
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終活には、自分の最期の準備だけでなく、これからの人生をより豊かにすごすための活動という側面もあります。終活をスムーズに進めるには、早めに着手し、家族と情報共有することや、専門家の助けを借りながら進めることが有効です。今回は終活のなかでも遺産・財産に関わる銀行口座の整理について、行うべき理由と整理の方法を解説します。

終活で銀行口座の整理をするべき理由

終活とは人生の終わりに向けての活動を意味しています。

つまり、自分の死後の準備を行うことです。存命中に自分の死後の準備を行うことに対して、消極的な気持ちをもつ人もいるかもしれませんが、終活には多くのポジティブな側面があります。

遺産の整理や葬儀の準備など、亡くなったあとに必要となる多くの手続きを、終活を通じて事前に準備することで、家族が哀しみのなかで対応しなければならないストレスを軽減できます。また、遺産相続や葬儀の希望が明確でないと、家族間でのトラブルが発生する可能性があります。

終活を通じて自分の希望や意志を明確に伝えておくことで、こうしたトラブルを未然に防げます。さらに、終活は自分の人生を見つめ直し、残りの人生をより充実させるための活動でもあります。

終活を通じて自分が送ってきた人生を振り返り、新たな視点で将来に視線を向けることで、今後の人生を充実させるための新たな目標や価値観を見出せるかもしれません。終活にはさまざまな活動がありますが、そのうちのひとつが銀行口座の整理です。

銀行口座は、口座名義人が亡くなると、通帳やキャッシュカードをもっていても凍結されてしまいます。これは遺産の権利侵害防止の観点によるもので、一度口座が凍結されると、遺族や相続人が預貯金を引き出したり振り込んだりできなくなります。

なんらかの原因で相続手続きが長引くと、最悪の場合は口座が休眠口座扱いとなり、預貯金が失われてしまうこともあります。このような事態を防ぐためにも、生前に銀行口座の扱いを決めておくことが有効です。

銀行口座の整理は、自分の死後に家族が遺産情報の把握や相続の手続きにかかる精神的・時間的な負担を軽減できます。相続人同士のトラブルを未然に防ぐだけでなく、自分の財産がどこにあるのかを明確に把握できるでしょう。

また、財産の全体像が見えやすくなるというメリットもあります。心身が健やかなうちに遺産分割に関する意思を明確にし、必要な書類を準備しておくことで、相続手続きを円滑化させましょう。

銀行口座を整理する方法

銀行口座を整理する際にまずすべきことは、所有する口座リストを作成することです。

リストには、銀行名、支店名、口座番号、口座の種類(普通預金、定期預金など)を記載します。また、使用していない口座や不要な口座は解約し、残高はほかの口座に移しておきましょう。必要な口座以外を解約することで、手続きが簡略化され管理しやすくなります。

自動引き落としが設定されている口座は、内容を確認します。解約する口座に設定されている場合は、ほかの口座に移行するか、解約しましょう。定期預金口座がある場合は、その満期日や自動継続の設定を確認します。必要に応じて満期日以降の対応を決めておきましょう。

家族に知らせたい口座は、名義人を変更するか、共有口座にすることを検討します。これにより、万が一の場合にも家族が迅速に対応できるようになります。

口座の名義変更や共有は死後だけでなく、自身が認知症になるなど、判断能力が著しく低下したと思われる状態になった場合に口座凍結されるリスクも回避できます。銀行口座が凍結されるとATMや振り込みによる出金ができず、自身の生活費や医療費を支払えなくなる場合があります。

その結果、介護や病院費を子どもが支払わなくてはならず、大きな負担をかけてしまうことになります。また、重要な通知を確実に受け取れるようにするため、各銀行に最新の連絡先情報を提供しておくことも大切です。

銀行口座の整理以外に終活でしておくべきこと

銀行口座の整理以外に終活でしておくべきことは、遺書の作成、葬儀の計画、医療・介護の意思表示などが代表的です。

これらの終活を健康なうちに済ませ、定期的に見直しするなど適切に管理することで、自分の死後、遺族に発生する手間やトラブルを軽減できます。終活をスムーズに進めるためのポイントは、早めに着手することです。

急な病気や事故などで突然に準備が必要になる場合に備えて、健康なうちに少しずつ準備を進めれば、余裕をもって終活に対応できます。

また、遺言書の作成や財産の整理など、専門的な知識が必要な場合は弁護士や税理士などの専門家に相談し、助けを借りることで法律や税金に関するトラブルを防げるでしょう。

終活にあたって、自分の意思や希望を整理して書き留めるためのツール、エンディングノートの活用が有効です。エンディングノートを残しておくことで、自分がどのようにしてほしいかを明確に伝えられます。

また、整理した銀行口座のリストもエンディングノートに記入しておくとよいでしょう。終活はひとりで行うものではありません。家族としっかり話し合い、自分の意思や希望を共有することが大切です。

まとめ

終活において、銀行口座の整理は重要な活動のひとつです。銀行口座を整理することで、財産管理を明確化し、遺産相続のトラブル防止に役立ちます。また、家族への負担軽減効果もあります。銀行口座を整理する方法は、口座のリスト作成、不要な口座の解約、自動引き落としの確認と必要に応じた移行、定期預金の確認、口座の名義人変更や共有、銀行に連絡先情報を更新することなどです。銀行口座の整理以外の終活ですべきことは、遺書の作成、葬儀の計画、医療・介護の意思表示などが代表的です。

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